さかもと。

2024.06.23

彼女の退屈を紛らわすのにメルカリでフェルトのぼーるを買った。ちょっと小さいかとも思ったけど、封筒から開けるや否や、目を爛々と輝かせて、僕が投げた方へ飛び込んでいった。彼女は夢中でぼーるを蹴ったり、かじったり。そんなに夢中になれるの。彼女のお気に入りをプレゼントできたことは嬉しいけど、僕と遊んでくれない。僕も、いるよ。ここに。すこし寂しいから、ぼーるを取り上げてみる。彼女はじっと僕を見つめて、小さくないた。ごめん、返すね。