6月が終わって、2024年の半分が過ぎていった。
少し僕の近況を。
6月から新文芸坐で映写スタッフとして働き始めた。キネカ大森でのシフトと合わせて週6日で働くのが大変だけど、映画館が好きなので1年のほとんど毎日を映画館で過ごせると思ったら僕は幸せ者かもしれない。
文芸坐にはフィルムの映写機がある。初めてフィルムの映写機が回っているのを見た時は興奮というか、感動というか。バラバラバラとプリントが映写機を回る音。スクリーンに向かって投射される映写機の光。今、僕は映画に触れている!そう思った。映写スタッフの先輩がフィルムのピントを合わせている後ろ姿がかっこいい。僕も早くフィルムをかけられるようになりたいです。
別にフィルム至上主義ではないのだけど、それでもやっぱりフィルムこそが映画だと思ってしまう魅力がある。
写真家の杉本博司さんの〈劇場〉という作品がある。とある外国の劇場のスクリーンを撮影した写真で、一見スクリーンには何も写っていなくてただ白く発光しているように見える。しかしこの写真はある映画の始りから終わりまでの一本分の時間をカメラのシャッターを開いたまま撮影した光景なのだという。杉本さんは、本来僕らが2時間もかけて観る光を一枚の写真に収めたのだ。
僕は映画の何を観ているのだろうかと考える時がある。物語か、役者の演技か、映像美か。たぶんきっと、僕らは光を観ているのだと思う。まるで光に集まる虫のように、映写機から放たれる光に魅了されているのだ。だから僕は映画館で観る映画が好きなんだと思った。
映写の先輩曰く、フィルムが映写機のレンズを通る時一瞬止まってシャッターを切っているらしい。だから光ではなくて残像を見せているとのこと。なるほど、もっと勉強いたします、、、
映画に近づけたと思った6月だけど、映画はあまり観れなかった。13本鑑賞。うーん、駄目だなあ。でもその代わりと言ってはなんだけど本を読むスピードが上がった。今までは月1冊とかだったけど、映画が観れない悔しさで小説やらシナリオやらを読むので色々読めた。最近は『赤い殺意』のシナリオ、『ハッシュ!』のシナリオ、西加奈子の『ふる』を読んだ。また感想を書きます。