岡田と申します

2024.05.15

5月3日、ジャックアンドベティで観た。初めてジャックアンドベティに行ったけど、とてもいい映画館。黄金町の雰囲気も凄く好き。

ユーロスペースでの上映を逃しちゃったので、観れてよかった。

東京郊外の多摩ニュータウンを舞台に、知珠、早苗、夏の三人の女性それぞれの一日が交互に映される。三人は決して直接関わるわけではないけど、それぞれのパートへの移り変わり方がとても面白かった。イニャリトゥの『バードマン』みたいな感じ。

それぞれの時間と、記憶と、人生が交わっていく。飯岡幸子さんの撮る画がとても良くて、『ヒノサト』でも思ったけど画の視線は誰の視線なんだろうかと考えてしまう。たぶん、どこか、いなくなった誰かなんだろうけれど。

いろんな記憶が交差していく映画だった。でも確かに、多摩ニュータウンみたいな団地はいろんな人が住んでいて、今住んでいる人やかつて住んでいた人の記憶がものすごく重なり合いやすい場所なのかもしれない。この感覚って、凄く貴重な気がする。

途中、どこかの家族(それも色んな)のホームビデオが流れる。それを僕らは見て、自分の家族の思い出と重ねる。ああ懐かしいなとか、うちもこんな事あったなとか考えて観ていた。あ、知らない人との思い出が重なり合っている。

街を歩く(それか自転車を漕ぐ)女性たち。そして歩きながら街を眺める。どこに焦点を当てるでもなく、ただ眺める視線が良かった。きっと彼女たちは多摩の街に積もった誰かの思い出が重なっているのだと思う。この映画を観た僕らが彼女たちと自分を重ねたように。

あと音楽、良かったです。今サントラをテレビで流して聞いています。