6月11日、品川のプリンスシネマで観る。
もともと原作の漫画が大好きで(待ち受け画面にするくらい)映画化の情報が解禁されてからずっと楽しみにしていた映画。
両親を亡くした15歳の朝と朝を引き取った小説家の叔母、槙生の二人の共同生活。
原作と違う!とか映画はいまいちだった。と思ってしまったらどうしようと少しだけ観るのが怖かったけど、そんな不安はすぐに無くなった。
まさしく映画『違国日記』だった。朝と槇生が映画の中にいた。
映画は原作とは違い朝の両親がトラックに轢かれて死んでしまったところから始まる。
朝の時間は、ここから止まってしまった。両親の死に囚われて前に進むことが出来ない。でも映画の時間は進んでいく。否応なく、朝は槇生との共同生活を始めないといけないし、中学を卒業して高校に入学しないといけない。時間の無慈悲さがとても良かった。
映画の時間は、0秒から始まって映画が終わるまで止まることはない。時間の表現の仕方がとても良い。いい映画だなあ。
映画はとても淡々と、朝と槇生の暮らしを映している。2人は生きているんだなあと思った。
映画が終わって、場内が明るくなって僕らが映画館を出ても、2人の生活は続いていく。朝は両親の死を受け止められたのだろうか。槇生は自分の苦しみのなかに幸せを見つけられるだろうか。